The Tomorrow War : クリス・プラットが未来のエイリアン退治に乗り出すSFアクション「ザ・トゥモロー・ウォー」は、タイムトラベルの矛盾を無視して突っ走る90年代ブロックバスター大作風の3本ぶんの映画を楽しめる痛快娯楽作 ! !

Billy 7/02/2021
今年2021年のアメリカ独立記念日の週末は、クリス・プラット主演の Amazon Prime 配信の SF アクションのブロックバスター映画「ザ・トゥモロー・ウォー」が…

劇場公開映画を出し抜いて、映画ファンの話題を独占してしまった感があります！！、そこで、これから自分も観ようかなぁ…？！と思案中の方に向けて、寸評すると…


エイリアンのクリーチャーの襲撃を受けて、全滅寸前の切羽詰まった人類はなぜ？！、せっかくのタイムマシンを使って、クリーチャーが最初に出現した直前に戻り、出鼻を挫いて、繁殖以前の数が少ないうちに皆殺しにしようとは思わないのか？！



…という予告編を観て、即座に気づく矛盾については、タイムマシンが試作品のため、現在と過去の間の30年を行き来することしか出来ない…という設定が説明されています。しかし…、

…だとしたら、未来からタイムマシンの高度な科学技術を手に入れた過去つまり現在の人類は戦争が始まるまでに年月の余裕があるわけですから、闇雲に未来に派兵して、人命を失うよりは、未来に備えて、平和のうちにタイムマシンを完成し、いつの時代にでも自由に行き来することができるようにしたほうが賢明では…？！という別の疑問が生じなくもありません。


そうしたタイムトラベルものにつきまとうお決まりの別の選択肢の可能性や、パラドックスの矛盾を考え始めて、気になってしまった人は映画のストーリーが進展すればするほど、辻つまがあわなくなり、ほころんでいくことにイライラして、くだらない…と冷ややかに観てしまうかもしれません。

ですから、アメリカの映画評論家の中にはダメダメ映画のレッテルを貼っている人もいるわけですが、しかし、そもそもタイムマシンとかエイリアンの侵略とか、ハナから絵空事のぜんぶフィクションでしょ！！、それを大真面目に論じてしまうのは、むしろ非現実的な受けとめ方では…？！と割り切り、矛盾を無視して前進していく物語の流れに逆らわず、身を任せるようにして観れば…、

第1幕の終末世界のマイアミを舞台にしたクリーチャーとの死闘の見せ場の連続から、第2幕の過去から来たクリス・プラットと未来の科学者のイヴォンヌ・ストラホフスキーが組んで、クリーチャーを捕獲し、弱点を探る研究、そして、第3幕の思いがけないエコの問題の浮上から別のところに雪崩込む最後の決戦！！と大胆に舞台を切り替えて、まるで、1本の映画の中に計3本の異なる映画を詰め込んだような二転三転するドンデン返しの娯楽に満ち満ちた作品として、気楽にお楽しみ頂けるかもしれません…！！


マーベル・シネマティック・ユニバースのタイムトラベルが、異なる時間軸の並行世界だから…という設定を使うことにより、あらゆる矛盾をなかったことにしているのを参考にして、あまり深く考えこまず、単純にエイリアンのクリーチャーとの迫力のバトルにハラハラされてみてはいかがでしょう…？！


それにしても、この「ザ・トゥモロー・ウォー」を製作したパラマウント映画が、Amazon に転売して、映画館で封切らなかったのは失敗だったかもしれませんね…。同社としては、タイムトラベルの矛盾や…、


物語の途中で、いきなり別の映画に変わるような型破りの展開が観客に受け入れられず、興行が沈没すると読んだのかもしれませんが、いまの観客は荒唐無稽を楽しんでしまう傾向にありますから、配信前にも書いたように非常にオタクウケする娯楽作として、人気を博する結果となっているだけに、ひょっとすると今夏最大のヒット作に化ける可能性もあったかも…！！

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