マーベル・マーベル、つまり、マーベル本体の会長であり、トランプ政権のサポーターとしても知られるネオナチのアイク・パルムッター氏の…
人種への偏見や女性差別の非人道主義を懸念した親会社のディズニーは、2015年にシネマティック・ユニバースをマーベルから分離させて、ディズニーの直接の管理下に置きました。
その後、女性を重要な顧客の消費者としているディズニーは当然、戦うヒロインの活躍を推し進める(「スター・ウォーズ」も同じですね)と同時に、人種偏見の垣根も当然、取っ払うことにし、そうした差別反対の成果として、キャプテン・マーベルやアフリカ系ヒーローのブラック・パンサーらが誕生することになりました。
マーク・ラファロは The Independent のインタビューにおいて、2012年公開の「アベンジャーズ」の第1作めの撮影時に、アイク・パルムッター氏の差別に抵抗し、戦うヒロインの活躍を求めるなどしたケヴィンが、上司に楯突いたことで、もしかすると自分はクビになるかもしれない…と語っていたと振り返っています。
白人男性優位主義のネオナチのアイク・パルムッター氏とケヴィンが対立していたのは、のちにディズニー、つまり、ボブ・アイガー氏が介入したことからも事実ですし、解雇を覚悟していた…という発言そのものも事実かもしれません。
しかし、そのケヴィンの勇気のおかげにより、キャプテン・マーベルやブラック・パンサーの活躍が実現した!!と讃えるハルクの発言は、いずれの多彩なヒーローも、2015年よりも後のディズニー介入後に実現したことですから、2011年の時点のケヴィンの発言と直接に結びつける因果関係を認めるのは難しいかもしれません。
政治や社会に働きかける活動家としても知られる “ モノ言う人 ” のメッセンジャーであるマーク・ラファロの発言は、やや意図的に大げさかもしれないわけです。
むしろ、「アベンジャーズ」の第2弾「エイジ・オブ・ウルトロン」(2015年)の宣伝プロモーションにおいて、スカーレット・ウィッチのリジーの存在を、アイク・パルムッター氏が黙殺し、あからさまに女性差別を誇示したことや、シネマティック・ユニバースの発案者であるクリエイターの大恩人の天才エドガー・ライト監督が、同クソ野郎らによって追放されてしまったことが、シネマティック・ユニバースの重要な転機だったようにも思われます。「アントマン」(2015年)の電撃降板の事件ですね。また、「エイジ・オブ・ウルトロン」のスカーレット・ウィッチのキャラクター・ポスターはありません。
アイク・パルムッター氏は、戦うヒロインを映画に登場させても、そのフィギュアはバービー人形と同じに見なされて、男子は誰も買わないだろ!!という男尊女卑の古い考え方にもとづいて当然、スカーレット・ジョハンソンのことも無視してきやがったため、「ブラック・ウィドウ」(5月1日全米公開)のスピンオフ映画の製作は遅れました…。
人種や女性に向けられた偏見や弱者への差別に反対する社会的な志は尊重されて然るべき大切なことですが、それに注目をしてもらうために、人気のマーベル・シネマティック・ユニバースと結びつけて、マスコミを使って訴えることは、今ひとつ、しっくりせず、やや疑問を感じてしまいます。例え前向きなことでも、情報操作めいたものであれば、それに踊らされたくはありません。映画、特にコミックヒーロー映画は娯楽であって、特定の思想や政治の信条、宗教などを伝えて、拡めるための広報ツールではありません。
でも、マーベル・ファンのみなさんがフィギュアなどを購入した売り上げの利益は、アイク・パルムッター氏に流れて、そのあと、トランプ政権の活動資金として、差別的な非人道的政策を支えることにもなります。
世の中はなんと醜い矛盾に満ちていることでしょう…。こんなことは CIA の楽しい映画記事にはできません。
February 24, 2020
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